休暇分散化ではなく、個人が自由に時間を選択・コントロールできる仕組み・風土づくりを!


最近 TwitterTumblr ばかりで、久々のブログ更新となりました。


冬季オリンピック閉幕、フジロック出演者第一弾発表、欧州サッカーはクライマックスへ、Jリーグは開幕へ・・・という今日この頃ですが、昨晩マスメディアでも大きく報道された「休暇分散化」についてです。


休暇分散化については、麻生内閣の経済危機克服のための「有識者会合」で星野リゾート社長・星野佳路氏が提言した「地方には魅力があるのに国内観光地が低迷する訳」(PDF)が最初でしょうか。

その後、鳩山内閣成長戦略策定会議有識者ヒアリングで再登場します。*1

この休暇分散化の背景/目的をざっくり言うと、、、

  • 国内観光の需要を平準化して、顧客満足度をあげましょう。
  • 国内需要を掘り起こし、国内観光産業の競争力を高めましょう。
  • その競争力を訪日外国人集客に繋げ、観光立国を目指しましょう。

こんな感じでしょう。

休暇分散化の方法や詳細内容については、提言資料をご覧下さい。


で、僕は二つの視点からこの提言には反対です。

個人が自由に時間を選択・コントロールできる制度・環境・風土づくりを

まず、日本の文化や生活習慣からうまれた休日(正月/お盆、学校の夏休み/冬休みなど)は、それを尊重します。

一方で、ハッピーマンデーなど中央統制でつくられた休日やゴールデンウィーク、シルバーウィークなどはすべて廃止して、有給休暇の取得など個人が自由に時間を選択・コントロールできる制度・環境・風土づくりをすべきと考えます。

休暇分散化などしなくても、これによって、ある程度の需要の分散化は図れるでしょう。

そして、個人の地域社会や政治への参加も促進され、よりよい市民社会、民主主義につながっていくと考えます。(こちらが主目的)

また、将来の地域主権・・・地域独自の休日制定の可能性も踏まえ、中央が休日を統制するというのは、馴染まないのではないでしょうか。

本当に国内観光産業の競争力強化につながるのか?

星野さんはその道のプロ中のプロなので、僕ごときが言うのも大変恐縮なのですが、需要創出を出発点にして競争力強化を言うことに若干違和感を覚えます。(管直人副総理と竹中平蔵氏の需要/供給の議論に通ずるものがあります)

生産性が低い、派遣社員が多く長期的に優秀な人材を確保できないなどの課題の解決策は、内なるところにあるのではないでしょうか?

地域の魅力をもっと高めること、それをもっとアピールすること、サービスの質を上げること、新しいサービスを生み出し提供すること・・・などなど、こういった観光産業での競争によって競争力を高め、需要を掘り起こすというのが筋ではないでしょうか。

言葉は悪いですが、需要の平準化を中央が統制する、間接的なバラマキのように思えてなりません。(本質的には農家戸別補償制度と変わらないのでは)


今後、産業界を巻き込んで議論を進めていくようですが、観光産業の成長という視点にとどまらず、広い視点での多様な議論を望みます。

そして、パブリックコメントがあれば、それまでにいろいろな意見を取り込み、自身の頭で考え、直接意見したいと思います。(ご意見お待ちしています)


【関連リンク】

  • 観光立国推進本部・休暇分散化ワーキングチーム

  http://www.mlit.go.jp/kankocho/iinkai/suishinhonbu/kyuka_wt.html




【追記 2010/03/04 12:50】
学校休暇の分散化は良いと思います。が、地域全体を「休日」にしようというのは??? 企業活動は今や地域に閉じていないですし、グローバル活動です。

やはり、学校休暇に合わせて個人が有給休暇を取得できるような制度・環境・風土づくりが良いと思います。

学校を転々とすればずっと休めますね...