上流も下流もない・・・未成熟産業故の通過点
SI業界を目指す君達へ贈る「何故システム開発はテンパるのか」(novtan別館)
同じIT業界(SI業界)で働く者として・・・
IT業界は「デスマーチ」が常態化しているとか、今や就職不人気の業界であるとよく聞きます。(今は就職市場は売り手市場ですし)
しかし、「デスマーチ」は極端な表現だと思いますが、IT業界の仕事が多忙なのはそういうものだと思うのです。IT産業はサービス/モノづくりのプロセスやアウトプット、そしてそれらの検査や評価の仕組みがまだ確立されていない未成熟産業だからです。
コンピュータが産まれてまだ半世紀余り、メインフレーム、ミニコン、C/Sシステム、Webシステムなどシステムのカタチは猛烈なスピードで進化し、製造プロセスの研究も学術分野の領域や、製造の現場などで進んでいますが(ウォーターフォールモデル、スパイラルモデル、アジャイル開発、テスト駆動型・・・など*1 )、未だ完全に確立されたものは出現していません。これから、何年か先も、何十年か先も、ITの進化がある程度収束しない限り、おそらく、完全に確立されたプロセス、検査・評価手法などというのは現れないのではないかと思います。*2
これからIT業界を目指す若い人たちには「辛い/楽だ」「上流/下流」*3などという単眼的な視点だけではなく、IT業界におけるサービス/モノづくりの仕組みを自らの手で築き上げていくんだという視点で就職活動、そして、就職後の仕事に取り組んで欲しいと思います。
自分自身の気持ちも改めて・・・